007「オクトパシー」(小説)
イアン・フレミングの小説007シリーズは、創元推理文庫とハヤカワ・ミステリ文庫版があり、ハヤカワ版は絶版となっているが、最近はiBooksやKindleで入手できるようになった。このうち007「オクトパシー」は、「オクトパシー」「所有者はある女性」「ベルリン脱出」の3つの作品を集めた短編集だ。007映画は、原作と同じタイトルでも内容はまるっきり関係ないというものも多いが、登場人物の名前や設定がどこかで流用されるというケースけっこうある。007「オクトパシー」に収められた3つの短編も、いずれもすでに映画で流用されているが、まもなく公開される007「スペクター」には、おやっという登場人物が出てくる。予告編でスペクターのボスと思われるオーベルハウザーという男が登場し、ボンドとの間に何らかの関係があることが示唆されるが、このオーベルハウザーは、短編「オクトパシー」では、ボンドが10代の頃にスキーを教わるなど、親父代わりみたいな人物だったのだ。「オクトパシー」でのオーベルハウザーは、ナチスがカイゼル山脈に隠した金塊を探すイギリス海兵隊スマイス少佐に、案内をさせられた上で氷河で殺される。映画でのボンドの両親は、両親がアルプス登山中に事故死したという設定になっているが、オーベルハウザーがこのあたりに関与しているのではなかろうか。
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