平将門
10世紀中頃の平安時代、坂東(今の関東)で起きた平将門の乱(承平天慶の乱)は、それまでの貴族同士の争乱とは一線を画すできごとだった。将門の乱の二百年後、平清盛が政権を握り、さらにその四半世紀後に鎌倉幕府が開幕するが、鎌倉幕府や江戸幕府は将門に対して強い親近感を抱いていたそうだ。北山茂夫が書いた「平将門」は、将門の乱を通じて、地方において武夫(つわもの)という新しい社会層がいかに誕生したかという問題に焦点を当て、中央政府に対して将門ら武夫たちが謀反したことを、鎌倉政権樹立の露払いだったと言えなくもない、と述べている。ちなみに、将門を討った従兄弟 貞盛の子孫から清盛が出ているが、平家を滅ぼした源頼朝を支えた御家人の多くは平氏一族だ。中でも北条氏は清盛同様貞盛の子孫で、源平合戦とは実は貴族政権に取り込まれた中央の平氏と武家政権をめざす地方の平氏との戦いであったと言えるのではないか。
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