宇宙96%の謎
現代宇宙論では、宇宙には、われわれには見えないダークマター(暗黒物質)やダークエネルギーがあると考えられている。ダークマターは、はるか彼方の銀河団の運動を観測したスイスの天文学者 フリッツ・ツヴィッキーが、宇宙には目に見えない質量が通常の物質よりはるかに多く存在するはずだとして考え出したものだ。その後暗黒物質の候補としていろいろな仮説が出されたが、正体はいまだ不明だ。20世紀終わり頃になると、観測技術が大きく進歩し、ビッグバンモデルの決定的証拠が得られるようになったが、日本の物理学者 佐藤勝彦らによるインフレーションモデルが登場すると、ダークエネルギーという正体不明のエネルギーを導入すれば観測結果をよく説明できることがわかった。最新の仮説では、宇宙を構成するのはダークエネルギーが68.3%、ダークマターが36.8&、通常の物質が4.9%とされている。佐藤勝彦が書いた「宇宙96%の謎」は、ダークマターやダークエネルギーの正体に迫りながら、宇宙論の最前線を解説した本だ。
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