物質のすべては光
自然界には重力、電磁気力、強い力、弱い力の4つの力がある。重力は万有引力とも言われ、距離が長くなるにつれ弱くなっていく。電磁気力はプラスとプラス、マイナスとマイナスなら反発し、プラスとマイナスなら引き合うが、これも距離が長くなるにつれ弱くなっていく。強い力は、クォークとグルーオンと呼ばれる素粒子を結びつけ、陽子や中性子などをつくる力だが、距離が短くなるにつれ小さくなる(距離が長くなるにつれ大きくなる)という性質=漸近的(ぜんきんてき)自由を持っている。この強い力の漸近的自由を発見したアメリカの物理学者フランク・ウィルチェックが書いた「物質のすべては光」は、現代物理学の最先端をわかりやすく解説した本だ。ウィルチェックは質量の起源とは何か?という問題を根底に置き、普通の物質の質量の95%は、それ自体は質量をほとんど、あるいはまったく持たない、クォークとグルーオンの活動から生まれているという。宇宙を構成するもののうち95%は正体不明のダークマターやダークエネルギーが占めているという観測結果もあり、まだまだ解明すべき謎は多い。
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