イミテーション・ゲーム
コンピュータの歴史を振り返るとき、必ず登場するのがイギリスの数学者アラン・チューリングだ。チューリングの人生はまさに波瀾万丈で、ドイツの暗号エニグマ解読という輝かしい(しかし決して公にはできない)成果を挙げる一方で、晩年は犯罪者として扱われ、非業の死を遂げた。ベネディクト・カンバーバッチ主演の映画「イミテーション・ゲーム」は、そのチューリングの生涯を描いた映画だ。世間では、数学者=変わり者というイメージがあるだろうが、実際ぼくの先輩の数学者も学生時代からやはりちょっと変わり者だった(すみません)。しかし、この映画でのチューリングの変人ぶりはレベルが違う。イギリスのドラマ「SHERLOCK」もそうだが、カンバーバッチはこういうエキセントリックな役をやらせると今や当代随一かもしれない。映画では、チューリングは青酸化合物で自殺したということになっているが、事故だという説もあったらしい。死後、チューリングの業績が明らかになるにつれ正当な評価を受けるようになるが、政府による正式な謝罪は2009年、女王の名による恩赦が与えられたのは一昨年だった。
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