「標準模型」の宇宙
素粒子物理学の理論として、標準模型という理論的枠組みがほぼ確立している。標準模型では、自然界の4つの力のうち、電磁気力、強い力、弱い力の3つの力を説明することができる。この3つの力は、クォークやレプトンと呼ばれる素粒子の間を、光子(電磁気力)やグルーオン(強い力)、Wボゾン・Zボゾン(弱い力)と呼ばれる粒子が媒介することによって伝わると考えられている。標準模型のうち、ヒッグス粒子だけは発見されていなかったが、これもとうとう、欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)での実験によって発見された。アメリカの物理学者ブルース・シュームが書いた「『標準模型』の宇宙」は、一般向けに標準模型を解説した本だが、ゲージ理論など難しい概念をあまり省略しないで説明しているので、内容的にはなかなか難しい。しかし、群論という純粋数学の抽象概念が物理学と深く結びついているとは、自然は本当に奥深い。
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