いて座の干潟星雲と三裂星雲
われわれの銀河系の中心はいて座の方向、約3万光年の彼方にある。したがって夏の天の川の中でもいて座のあたりはとりわけ星が多い。そのいて座にある干潟星雲M8は、オリオン座大星雲M42と並ぶ星雲の横綱だ。肉眼でも見えるが、人間の目は暗いものは白黒にしか見えないので、このような鮮やかな赤い色まではわからない。M8までの距離は約3,900光年なので、銀河系中心部はまだずっと奥ということになる。M8のすぐそばには、三裂星雲M20がある。散光星雲の手前に暗黒星雲があるために、散光星雲が分割されているように見えるのだが、実際に写真に撮ると三裂ではなく四裂に見える。この2つの星雲は望遠鏡を使った写真撮影でも同一視野に入るため、人気の被写体だが、北海道ではあまり高く昇らないため、木に邪魔されて撮影時間が限られてしまう。
2014年8月28日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒