ブラックホール戦争
「ブラックホール戦争」、などというとSF小説のタイトルのようだが、アメリカの物理学者レオナルド・サスキンドが書いたこの本は、サスキンドとスティーヴン・ホーキングが繰り広げた、ブラックホールに落ち込んだ粒子の情報が失われるかどうかをめぐる論争をユーモアたっぷりに語った本だ。ブラックホールは一般相対性理論の方程式から導かれる驚くべき解だが、アインシュタインでさえ、それは単なる数学的な解であって現実には存在しないと考えていた。サスキンドとホーキングの論争が注目されたのは、これが一般相対性理論と量子力学の調和という現代物理学最大の問題に結びついていたからだ。この論争は結局、サスキンドが勝利し、ホログラフィック原理などの新しいアイディアも生まれたが、一般相対性理論と量子力学の調和という大きな問題は依然として残されたままだ。
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