A LONG VACATION
大瀧詠一が、永遠の名盤「A LONG VACATION」を残し、この世を去ってしまった。あの世での長い休暇を楽しまれんことを。ご冥福を祈る。
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大瀧詠一が、永遠の名盤「A LONG VACATION」を残し、この世を去ってしまった。あの世での長い休暇を楽しまれんことを。ご冥福を祈る。
天文学はもともと、人類が農耕を始める中で暦をつくることから発達してきた。古代エジプトでは、シリウスの位置でナイル川の氾濫時期を知ったという話は有名だ。これまでにつくられた暦には、太陽を基準とする太陽暦、月を基準とする太陰暦、太陽と月を基準とする太陰太陽暦があるが、現在多くの国が採用しているのが太陽暦であるグレゴリオ暦(1582年〜)だ。グレゴリオ暦採用前は、同じ太陽暦だが、ユリウス暦(紀元前45年〜1582年)がヨーロッパで使われていた。ユリウス暦は、その名のとおりユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)が制定した暦だ。このユリウス暦からグレゴリオ暦に切り替えたとき、日数計算に便利なように考案されたのがユリウス日だ。すなわち、紀元前4713年1月1日12時(世界時)を起点とし、そこから何日経過したかがユリウス日だ。そんなめんどくさいことをなんで?と思うかもしれないが、これはこれで天文計算に便利なのだ。ユリウス日は理科年表や天文年鑑にも掲載されているが、2014年1月0日12時(世界時)は2456658だ。なお、「1月0日」というのは、その前日の「12月31日」のこと。したがって、1月1日0時だと2456658.5ということになる。これが世界時で2014年になった瞬間のユリウス日だ。日本標準時は世界時+9時間なので、日本時間で2014年になった瞬間のユリウス日は2456658.125だ。この手の暦の計算は、国立天文台天文情報センター暦計算室HPを利用すると便利だ。
「ブレードランナー」や「トータル・リコール」の原作を書いたSF作家フィリップ・K・ディックの小説を、スティーヴン・スピルバーグとトム・クルーズのコンビが映画化したのが「マイノリティ・リポート」だ。21世紀半ばのワシントンでは、3人の予知能力者による殺人予知システムにより、殺人事件はすべて事前に予防されていた。このシステムを全国で導入しようと企む犯罪予防局幹部の陰謀に、クルーズ演じる刑事ジョン・アンダートンが巻き込まれ、殺人犯として追われる身となってしまう。絶体絶命のピンチに陥ったジョンが謎解きをしていく展開はなかなかおもしろい。結局、この殺人予知システムは廃止されるが、こんなシステムを現実に導入するとなったら大騒動になるだろう。
トム・クルーズ主演「ミッション:インポッシブル」シリーズ第4作目が「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」だ。イーサン・ハントがクレムリンに潜入するが、クレムリンで爆弾テロが発生、イーサンは罪をなすりつけられてしまう。テレビドラマ「スパイ大作戦」では毎回、「例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで」という司令の声が流れるが、本作ではそれが現実のものとなってしまう。すなわち、アメリカ合衆国大統領令で「ゴースト・プロトコル」が発動、IMFもなかったことにされてしまった。孤立無援のIMFメンバーは、持ち前のチームワークでイーサンらを陰謀に陥れたテロリストの正体を暴き、核兵器によるテロを防ぐ。クルーズがドバイにある世界一高い超高層ビルで見せるアクションシーンは迫力満点だ。ジム・フェルプスを裏切り者にされて怒り心頭の「スパイ大作戦」ファンも、本作には拍手を送っているのではなかろうか。
現在使っている撮影機材はこういう構成だ。デジタルカメラの進歩のおかげで、フィルム時代に比べて、小さな機材でも驚くほどよく写るようになった。当然、大きな機材ではもっとすごい写真が撮影できる。昔なら天文台の大型望遠鏡でなければ撮影できないような写真が、アマチュアにも手が届くようになった。高性能な光学系はもちろん、自動導入赤道儀やオートガイダー、オートフォーカサーなど、手動ガイドで何十分もがんばっていた時代とは隔世の感がある。
○カメラ キャノン EOS60Da
○レンズ キャノン EF100㎜F2、50㎜F1.8、35㎜F2、24㎜F2.8、シグマ 対角線魚眼レンズ15㎜F2.8
○望遠鏡 ミニボーグ60ED、ミニボーグ45EDⅡ+レデューサー0.85×DG
○赤道儀 タカハシ スペースボーイ赤道儀+HD-4モータードライブ
○三脚 ケンコー スカイメモ用大型微動マウント
ミニボーグ60ED対物レンズを導入したので、まずはオリオン座大星雲M42をテスト撮影してみた。極軸合わせが決まらず、ピント合わせにも手間取り、失敗作となってしまったが、F値が明るいので、3分の露出でもよく写った。その後タカハシスペースボーイ赤道儀をチェックしたら、極軸合わせがうまくいかない原因が判明した。三脚として使っているケンコースカイメモ用大型微動マウントの微動ネジが曲がっていて、しっかり固定できてなかったのだ。困ったなぁと思い、買い替えも考えたが、ホーマックでちょうどいいネジを見つけ、バラして組み直したらいい感じになった。とういうわけで再チャレンジしたのがこの写真だ。
2013年12月28日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG、露出180秒
トム・クルーズ主演「ミッション:インポッシブル」シリーズ第3作目が「M:Iー3」だ。本作では、前作とは打って変わって、テレビドラマ「スパイ大作戦」の売りであった秘密機関IMFのチームワークを前面に出している。イーサン・ハントは現場の仕事からは引退し、IMFの教官となっているのだが、教え子リンジーが捕らえられたため、救出作戦に参加する。リンジーは死ぬが、リンジーはIMFのブラッセル局長が裏切り者であるというメッセージを残していた。しかし、実はこれはまったくの間違いで、裏切り者はイーサンの直属の上司だったことが最後に判明する。まあなんというか、とんでもない大間違いにイーサンらが振り回されたということなのだが、裏切り者を始末することができたので、結果オーライだろう。ブラッセル局長を演じるのは、「マトリックス」でモーフィアスを演じたローレンス・フィッシュバーンだ。また、IMFメンバーとして、2009年の映画「スター・トレック」でモンゴメリー・スコットを演じたサイモン・ペグが出演している。
トム・クルーズ主演「ミッション:インポッシブル」シリーズ第2作目が「M:Iー2」だ。テレビドラマ「スパイ大作戦」は秘密機関IMF(インポッシブル・ミッション・フォース)のチームワークが見どころであり、クルーズ主演の第1作「ミッション:インポッシブル」もそこは踏襲しているが、本作はイーサン・ハント一人が活躍するという感じで、他のIMFメンバーはいまいち影が薄い。ところで、イーサンが乗るバイクは、イギリスのトライアンフというメーカーのバイクで、マーロン・ブランドの「乱暴者(あばれもの)」やスティーブ・マックイーンの「大脱走」、そして「マトリックス」にも登場する。トライアンフは20世紀初頭にバイク製造を始めた古いメーカーで、タイガーやトロフィー、サンダーバード、ボンネビルといった名車を世に送り出したが、日本メーカーの台頭で1980年頃には倒産してしまった。しかし、その後トライアンフの商標権を取得した実業家がバイク製造を開始し、最近は日本でも系列店を展開している。ぼくのバイク仲間にも何人かトライアンフ乗りがいるが、一度乗るとハマるようだ。
トム・クルーズ主演の映画「ミッション:インポッシブル」は、テレビドラマ「スパイ大作戦」ファンとしてはやはりブーイングを浴びせざるを得ない。あれだけ世界平和に貢献したジム・フェルプスを、なぜあんな卑劣な裏切り者に貶めなければならなかったのか。しかし、そこのところさえ目をつぶれば、なかなかおもしろい映画だ。クルーズが演じるイーサン・ハントは、もちろん変装の名人ローラン・ハンドから取った名前だろう。そして、本作はアップル社が大々的にスポンサードしているので、PowerBookがたくさん登場する。当時のPowerBookはグレーまたはブラックで、今とは違うかっこよさがあった。ぼくもPowerBook 540cを持っていたが、映画の中でモニタに映し出されるグラフィックにはすげ〜と思ったものだ。ただ、当時のOS(漢字Talk7.5)は不安定で、よくクラッシュした。おかげでMacには詳しくなったが。
東京モーターショーでホンダの市販予定モデルがいくつか発表されたが、ちょっと気になったのがCTX1300だ。1261㏄V型4気筒エンジンを縦置きにしたクルーザーモデルで、なかなか個性的なスタイルだ。ぼくは長距離ツーリングがメインなので、快適で疲れないバイクがいい。CTX1300はそういうニーズにはぴったりなんだろうな。しかし、本当はBMW R1200GSのようなアドベンチャータイプに一度は乗りたいと思っている。北海道ではまだダートが残っているからだ。昔、浦幌町〜白糠町を結ぶ道東スーパー林道をCRM250Rで走ったことがあるが、これは楽しかった。まあGSだと足が地面に着かないと思うが、信号の少ない北海道なら問題ない。
1996年公開の「インデペンデンス・デイ」は、人類絶滅を狙う異星人の来襲を描いたSF映画だ。地球人よりも進んだテクノロジーを誇る異星人の宇宙船に、人類の攻撃はまったく歯が立たない。強力なバリアの前に、核攻撃さえ効果がなかった。世界中の大都市があっという間に破壊され、アメリカのホイットモア大統領はネバダ州のエリア51に避難する。そう、この映画でもエリア51とロズウェル事件が取り入れられているのだ。結局、人類側は異星人の母船に乗り込み、ホストコンピューターにコンピューターウイルスを送り込むことによってバリアを無力化、わずかに残った戦闘機で起死回生の勝利を手にする。ここで活躍したのがMacintosh PowerBook 5300だ。当時PowerBook 540cを持っていたぼくは、初のPowerPC搭載モデルだった5300に興味津々だったが、トラブルが多かったようだ。その後まもなく1400cが登場し、ぼくもこちらに乗り換えたが、1400cはトラブルが少なく、安心して使えるモデルだった。今でも捨てずにとってある。
全天一明るい恒星(太陽を除く)であるおおいぬ座のシリウスのすぐ下に、散開星団M41がある。双眼鏡なら同じ視野に入るので、見つけやすいだろう。シリウスは実は連星で、大望遠鏡でないと見られない暗い伴星シリウスBがある。シリウスBは、太陽と同じくらいの質量の恒星が核融合を終えてできる白色矮星であることがわかっている。太陽と同じくらいの質量なのに、大きさは地球と同じくらいというのだから、非常に高密度の星だ。質量がもっと大きい恒星は、超新星爆発を起こし、中性子星になったりブラックホールになる。もし近くの星が超新星爆発を起こすようなことがあれば、ガンマ線バーストという高エネルギーの電磁波を浴びることになるので、地球上の生命は絶滅する可能性がある。われわれは本当にラッキーだったのだ。
2013年1月3日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF100㎜、露出180秒
最近(といっても1984年の曲だが)のクリスマスソングの定番といえば、ワム!の「LAST CHRISTMAS」だろう。ワム!は日本のCMにも出演するなど、当時はかなり人気があった。ぼくもリアルタイムで聞いているが、いい曲だな〜とずっと印象に残っていた。ワム!はこの曲のヒット後、まもなく解散してしまう。そして、日本が誇るクリスマスソングといえば、やはり山下達郎の「クリスマス・イブ」がその筆頭格だろう。今年は「クリスマス・イブ」発売30周年に当たるそうだ。このほか、ユーミンの「12月の雨」「ロッヂで待つクリスマス」「恋人がサンタクロース」、サザンオールスターズの「クリスマス・ラブ〜涙のあとには白い雪が降る〜」「シャ・ラ・ラ」、佐野元春の「Christmas Time In Blue」、今井美樹の「ひとりでX’mas」、角松敏生の「サンタが泣いた日」、五十嵐浩晃の「二人だけのX’mas」などもいい。あと、変わり種としては、スウェーデンの女優であり歌手でもあったモニカ・セッテルンド(ゼタールンド)がビル・エヴァンスと共演した「WALTZ FOR DEBBY」に、エヴァンスがお遊びで弾き語りする「Santa Claus Is Coming to Town」が収録されていて、ジャズファンに珍重されている。
バラ星雲はいっかくじゅう座にある。いっかくじゅう座はあまり有名な星座ではないので、オリオン座のすぐ隣といった方がいいだろう。オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンでつくる冬の大三角の真ん中を天の川が流れているが、バラ星雲はその中にある。肉眼では見えないが、写真ではその名のとおりバラのように見える。バラ星雲と重なって見える散開星団にはNGC2244という番号が振られていて、これがバラ星雲を輝かせている。今年はミニボーグ60EDを導入したので、年末年始は秋〜冬〜春の星雲星団銀河をじっくり撮影しようと思っている。バラ星雲ももっときれいに撮れるだろう。
2013年1月3日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ45EDⅡ+レデューサー0.85×DG、露出301秒
こちらは山下達郎夫人である竹内まりやおすすめ(山下達郎談)のカーペンターズ「CHRISTMAS PORTRAIT」(1978年)だ。カレンの美しい歌声は、クリスマスソングにぴったりという感じだ。カレンが亡くなったのは1983年だから、もう30年も経ったのか。このアルバムもまた、半世紀先、1世紀先までとずっと聴かれ続けるんだろう。それにしても、東京のクリスマスは雪がないから雰囲気出ないなぁ。
ふたご座の2人カストルとポルックスのうち、カストルの足下にあるのが散開星団M35だ。このあたりは冬の天の川が流れていて、近くには赤い散光星雲もある。散開星団はもともと一つの分子雲からほぼ同時に誕生したものだが、銀河系中心を回っているうちにだんだんばらけてしまう。北斗七星を含むおおぐま座の星々は、観測の結果同じ方向に同じ速度で動いているのがわかったので、こうしてばらけた散開星団だったのだろうと考えられている。ちなみに、太陽系が銀河系を1周するには2.5億年くらいかかるそうだ。地球ができたのが46億年前くらいなので、意外と早いスピードで公転していると言えなくもない。
2013年1月3日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF100㎜、露出180秒
フィル・スペクターの「A CHRISTMAS GIFT FOR YOU」も、山下達郎おすすめのクリスマスアルバムだ。1963年のアルバムだが、いい音楽というものは半世紀経っても色褪せないということだろう。フィル・スペクターは映画「イージー・ライダー」にも出演していたりするが、一時は奇行が目立ったり、麻薬中毒になったりして、とうとう今では殺人罪で刑務所にいるようだ。なお、世界征服を企む犯罪組織スペクターとは、特に関係はないと思われる。
オリオン座の星々は、ベテルギウスを除くと青白く若い星が多い。そしてオリオン座大星雲M42や馬頭星雲、NGC2024、M78、バーナードループといった散光星雲・暗黒星雲も多い。どうやらオリオン座全体が、星間ガスに包まれているようだ。この星間ガスはオリオン座分子雲と呼ばれ、オリオン座の星々はこの分子雲から誕生したと考えられている。オリオン座は古来、世界各地の神話の中で重要な役割を与えられてきたが、学術的にも非常に重要な星座なのだ。そういうわけで、このあたりは冬の星座の中でも最高の撮影ポイントだ。標準レンズでも望遠レンズでも望遠鏡でもとにかくよく写り、まったく飽きさせない。
2013年1月7日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF100㎜、露出180秒
毎週日曜日14時のFM東京「山下達郎のサンデー・ソングブック」は、オールディーズ好きにはたまらない番組だ。15日の番組ではクリスマスソング特集をやっていたが、山下達郎がこれしか聞かないと言っていたうちの1枚が、ザ・ビーチ・ボーイズの「The BEACH BOYS’ CHRISTMAS ALBUM」(1964年)だ。ザ・ビーチ・ボーイズといえば、「夏」「海」「サーフィン」というイメージが強いが、クリスマスソングもいい。
オリオン座は冬の王者というにふさわしい。ベテルギウスとリゲルという1等星が2つあり、3つの2等星が並ぶ三つ星もあって、ひときわ目立つ星座だ。しかも、オリオン座大星雲M42を筆頭に、見どころが多い。M42は地球から見える散光星雲としては最も明るく、空の暗いところでは肉眼でもよく見える。ただし、人間の眼は暗いものを見た場合モノクロにしか見えないので、写真のように赤くは見えない。非常に明るいので写真撮影では中心部がすぐにつぶれてしまうが、望遠鏡で見るとトラペジウムという4つの星を見ることができる。これらの星はM42の中で生まれたまだ若い星で、惑星系を形成しつつあると考えられている。
2012年9月15日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ45EDⅡ+レデューサー0.85×DG、露出180秒
アーヴィング・バーリンの代表曲「White Christmas」は、フランク・シナトラをはじめ膨大なシンガーが歌っているが、決定版がビング・クロスビーによるバージョンだ。最初に発売されたのは1942年で、とにかく大ヒットしたそうだ。クロスビーは、ジャズやポピュラーの男性ヴォーカルで主流のクルーナー唱法を確立した人で、甘〜い歌声が持ち味だ。クロスビーはまた、60本近くの映画にも出演していて、アカデミー主演男優賞も受賞している。
「マトリックス」シリーズ完結編では、滅亡の危機を迎えたザイオンとマシンとの壮絶な戦い、エージェント・スミスとネオとの最後の戦いが描かれる。エージェントというのはマトリックスを守る監視プログラムだが、スミスはネオとの戦いの中で、ネオの能力の一部を獲得し、マシンにさえも制御不能な存在となっていく。これはアーキテクトにとっては誤算だったろう。マトリックスはネオとスミスという2つの深刻なアノマリー(異常)を抱えたのだ。ネオは苦労の末マシン・シティにたどり着くが、そこでマシンはネオに対し、ザイオンの滅亡を免除する代わりに、スミスの排除を求める。ネオはスミスと戦い、倒されるが、スミスは勝ち誇ってネオを同化することによってマシンからアクセス可能なプログラムとなり、マシンによって消去される。ここにザイオン対マシンの戦いは終わり、マトリックスにつながれた人間は(本人が望めば)解放されることになる。というわけで、最後までややこしいストーリーだが、非常におもしろい映画だ。コンピューターが知能を持ち、人類の脅威となるという話は「ターミネーター」などでもおなじみだが、現実には、現在の人工知能(AI)はゴキブリ以下の知能しか持っていない。なので当分そういうことは起きそうもないので、ご安心を。
太陽の8倍以上の質量を持つ恒星では、最期に超新星爆発というのが起きると考えられている。超新星は非常に明るく、銀河系の中でも何度か起きていることが過去の記録からわかっている。おうし座のかに星雲M1は、1054年に出現した超新星の残骸だ。大望遠鏡による精密観測では、超新星爆発で吹き飛ばされたガスが今でも膨張していることがわかっている。核融合によって恒星の内部でつくられた元素や超新星爆発の際につくられた元素は、このようにして宇宙にばらまかれる。中心には、まるで宇宙の灯台のように規則正しく電磁波を発しているパルサーと呼ばれる超高密度星(中性子星)がある。元の恒星の質量がもっと大きければ、中性子星ではなくブラックホールができていただろう。
2013年1月7日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ45EDⅡ+レデューサー0.85×DG、露出301秒
「マトリックス」シリーズ第2作「マトリックス リローデッド」では、話がだんだんややこしくなってくる。まず、ネオやモーフィアスがマトリックスに侵入したときに登場するエージェント・スミスやオラクル、メロビンジアンといった人物は、本物の人間ではなく、マトリックスの中にいるプログラムだ。マトリックスを設計したのはアーキテクトと呼ばれるプログラムだが、アーキテクトは何度かの失敗を経て、現在のマトリックスのシステムを作り上げた。このシステムは、あえて完全無欠のシステムではなく、アノマリー(異常)を生み出すようになっている。完全無欠の理想郷のようなシステムは、人間が拒否反応を起こして失敗したのだそうだ。ネオは生き残った人類(ザイオン)からは救世主として期待されるが、実は救世主もあらかじめ現れるようにプログラムされているらしい。そして、システムが不安定化して破局を迎える前に、救世主がマトリックスのソースに行き、マトリックスのリローデッド(データの読み直し)が行われるというのだ。そのとき、今のザイオンは破壊され、マトリックスから解放された人類により新たなザイオンが再建されるそうだ。というわけで、ザイオンは滅亡の危機を迎える。
秋から冬の天の川をたどっていくと、カシオペア座からペルセウス座、そしてぎょしゃ座へと至る。ぎょしゃ座は1等星カペラを含む5角形の形をしているが、双眼鏡で眺めると、5角形の中に2つと5角形の外に1つの散開星団がほぼ並んでいるのがわかる。内側からM38、M36、M37というメシエ番号が振られている。この3つの散開星団はどれも4000光年ちょっとのところにあるので、近くに行くとにぎやかな眺めだろう。M38とM36の近くには赤い散光星雲もあり、この写真でも淡く写っている。今年の年末年始はこのあたりを集中的に狙い、もっときれいな写真を撮影したいと思っている。
2012年9月15日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF100㎜、露出180秒
ウォシャウスキー兄弟監督、キアヌ・リーヴス主演の「マトリックス」3部作は、大迫力のアクションシーンもさることながら、内容的にも深い作品だ。プログラマーのトーマス・アンダーソンは、凄腕ハッカー「ネオ」というもう一つの顔を持っているのだが、ある日トリニティとモーフィアスという謎の男女と出会い、いま生きているこの世界がコンピューターによる仮想現実だと知らされる。実はかつて人類対マシンの戦争があり、人類は敗北、人間は人工的に培養され、電池として利用されていた。人間は生まれたときからカプセルに入れられ、脳にプラグをつけられ、コンピューターが作り出した仮想現実「マトリックス」の中で生きていたのだ。モーフィアスらの手引きによりカプセルを脱出したネオは、荒廃した本当の世界の姿を知るとともに、訓練を積み、マトリックスの中での戦闘能力を開花させていく。モーフィアスを演じるのはローレンス・フィッシュバーン、ネオらを付け狙うエージェント・スミスを演じるのはヒューゴ・ウィーヴィング。どちらも存在感のある演技だ。
天球上で太陽が通る軌道は、黄道(「こうどう」または「おうどう」)と呼ばれている。星占いで出てくる12星座が「黄道12星座」と呼ばれるのは、太陽が1年間かけて通る軌道を12分割し、それを各星座に割り当てていることによる。火星や木星、土星などの惑星は、ほぼ黄道上を動くので、同じく黄道に近いおうし座のヒアデス星団にときどき接近する。この写真の左側で明るく輝いているのは木星だ。最近の木星はふたご座にいて、ほぼ一晩中見えている。とにかく夜空を見て一番明るい星が木星だ。もちろん東京のような大都会でも見える。望遠鏡でのぞくと、縞模様が見えるほか、4つのガリレオ衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)もはっきり見える。ヒアデス星団は太陽系に最も近い散開星団なので、まばらに見える。ヒアデス星団の中に見える1等星アルデバランは、たまたま方向が同じだけで、実際にはずっと近くにある。
2012年9月15日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF100㎜、露出180秒
「最後の猿の惑星」が公開された翌年、テレビドラマ「猿の惑星」が制作された。3人の宇宙飛行士が猿の支配する未来の地球に不時着するという設定は映画と同じだが、人間は言葉をしゃべれないほど退化しておらず、地位も映画よりは向上している。視聴率が上がらず、制作されたのは14話のみで、中途半端な終わり方をしてしまった。主人公の猿ゲイランを演じるのは映画シリーズでもおなじみのロディ・マクドウォールだが、日本語吹き替えをしているのは植木等だ。そのせいか、字幕版で見るのと吹き替え版で見るのとではちょっと印象が異なり、吹き替え版で見るとコメディドラマっぽい。ストーリーは毎度同じパターンで、ゲイランと2人の飛行士が、ゴリラのウルコー将軍の追跡を逃れる途中でさまざまなトラブルに巻き込まれるというものだ。なお、ウルコー将軍を演じるマーク・レナードは、劇場版「スター・トレック」ではスポックの父サレクを演じている。
おうし座の散開星団プレアデス星団は、日本では「すばる」とも呼ばれ、非常にポピュラーな星団だ。青白い星団に青白い星雲が重なっていて、空の暗いところでは肉眼でもボーッと見える。もちろん双眼鏡ではすばらしくよく見え、写真写りも抜群にいい。恒星には青〜青白〜白〜黄白〜黄〜橙〜赤といった色があるが、これは表面温度に対応しており、青にいくほど表面温度が高い。プレアデス星団の星は若い高温の星で、質量が大きく、核融合反応のスピードが非常に速いため、寿命も短いと考えられている。このような星では、生命が誕生し、知的生命体に進化するまでの時間がないので、知的生命体は存在しそうもない。太陽(黄)は適度な質量を持ち、100億年くらい活動するので、地球上の生物にとっては非常にいい環境だったと言えるだろう。
2012年9月14日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ45EDⅡ+レデューサー0.85×DG、露出300秒
1968年から続く「猿の惑星」シリーズの最終作。人類と猿との戦争は核戦争へと発展し、多くが滅んでしまう。生き残ったシーザーは人類との共存をめざすが、ゴリラのアルドー将軍は人類を滅亡させようと企んでおり、さらには生き残った人間の一部がミュータントと化し、最後の戦いを仕掛けてくる。本作も低予算で制作され、第4作と同じくらい貧相なセットなのが残念だ。ところで「猿の惑星」ではチンパンジーとオランウータンとゴリラの3つの人種(猿種?)がいて、チンパンジーとオランウータンは温和な性格に、ゴリラは暴力的な性格に描かれている。確かにあの顔を見るとそう見えるのだろうが、実際にはゴリラは温和な性格で、チンパンジーの方がずっと攻撃的なのだそうだ。人は見かけによらないんだなぁ。あ、猿は見かけによらない、か。
宇宙空間には水素(要するに陽子1個という最も単純な原子)などからなる星間ガス(暗黒星雲)があちこちに漂っている。それが重力で収縮し、部分的に高密度になると、そこで核融合反応が起こり、恒星が誕生する。恒星が誕生すると、周囲の星間ガスは発光し、散光星雲として輝く。あるいは、星間ガスの近くに恒星があると、星間ガスがその光を反射して輝く。ペルセウス座のカリフォルニア星雲は、そのようにして赤く輝いている。暗黒星雲から誕生した恒星は、その最期に赤色巨星や超新星となって周囲にいろいろな物質をまき散らし、まき散らされた物質は次世代の恒星の材料となる。地球やわれわれの体を構成する物質も、はるかな過去にこうしてつくられた。
2012年9月15日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ45EDⅡ+レデューサー0.85×DG、露出300秒
コーネリアスとジーラの死後、地球では疫病が発生、犬や猫が絶滅してしまい、猿がペットとして飼われるようになる。しかし、そのうち人間は猿を訓練し、奴隷として使うようになる。サーカスにかくまわれたシーザーは、こうした現状に我慢し続けてきたが、シーザーの育ての親であるサーカスの主人アルマンドが非業の死を遂げると、人間に対し反乱を起こすことを決意する。この時代は高い知能を持ち言葉をしゃべる猿はまだシーザーのみだが、シーザーはテレパシーによって猿のリーダーとなり、ついには人間を屈服させてしまう。本作は、残念ながらかなりの低予算で制作されたらしく、セットも貧相になってしまった。2011年に公開された「猿の惑星 創世記」は、本作が下敷きになっている感じだ。
前作「続・猿の惑星」で地球は破壊されてしまったが、その直前、コーネリアスとジーラは、湖から引き揚げたテイラーの宇宙船で地球を脱出していた。そして2人はテイラーやブレントとは逆のコースをたどり、過去の地球に不時着する。宇宙船を迎えた米軍の司令官は、宇宙船から出てきた飛行士に歓迎のあいさつをするが、ヘルメットを脱いだ姿を見てびっくり仰天し、あわてて逃げ出す。やがて、コーネリアスとジーラが高い知能を持ち、言葉をしゃべることがわかると、2人は人気者となり、テレビやパーティーにと引っ張りだこになる。しかし、それも長くは続かなかった。酒に酔っ払ったジーラが未来の地球の話をしてしまい、2人を生かしておくと人類が滅ぶと考えた政府高官が、2人の命を狙い始めるのだ。「猿の惑星」の原作は、もともと人間社会への痛烈な風刺が込められていて、それはこの映画にも強く反映されている。コーネリアスとジーラは無残にも殺されるが、その子シーザーは生き延び、第4〜5作には主人公として登場する。シーザーを引き取って育てるサーカスの主人アルマンドは、リカルド・モンタルバンが演じている。
さんかく座の渦巻銀河M33は、局部銀河群の中ではアンドロメダ銀河M31と銀河系に次いで大きい銀河だ。明るさは約6等級なので、肉眼で見えるギリギリの明るさだ。M31は知らない人でもわかると思うが、M33はちょっとわからないかもしれない。もちろん、空の暗い田舎での話だが。M33は銀河系からだと真上(真下?)から見ているので、渦巻の様子がよくわかる。ただし、望遠鏡では写真ほどはっきりとは見えない。大口径望遠鏡で撮影すると、ところどころに赤い散光星雲が写るが、その一つにはNGC604という番号が振られている。NGC604は地球から見える最大の散光星雲であるオリオン座大星雲M42の40倍以上もある、超大型の散光星雲だ。
2012年9月14日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ45EDⅡ+レデューサー0.85×DG、露出300秒
1人生き残った宇宙飛行士のテイラー(チャールトン・ヘストン)が猿の迫害から逃れ、核戦争で廃墟となったかつてのニューヨークをさまよい歩いている間、テイラーらを追ってきた宇宙飛行士のブレントも猿の惑星にたどり着く。テイラー同様、ブレントもびっくり仰天するのだが、人間に好意的な猿のジーラと出会い、テイラーが猿の迫害を逃れて旅立ったことを知る。ブレントがテイラーを探していくうちに出会ったのが、核戦争の影響でミュータントとなった人間たちだった。しかし、このミュータントたちは、テレパシーこそ使えるものの、戦闘能力はまったくない。これまでは幻覚を見せることで猿の侵攻を防いでいたが、ついに猿の軍団の攻撃を受けてしまう。テイラーとブレントも戦うが、ブレントは殺され、テイラーも重傷を負う。絶望したテイラーはついにコバルト爆弾のスイッチを押し、生き残った人間や猿もろとも地球は破壊されるのだった。
ちょうこくしつ座の渦巻銀河NGC253は、局部銀河群のすぐ隣にあるちょうこくしつ座銀河群の中で最大の銀河だ。ちょうこくしつ座は北海道では高く昇ることがないので、目立たない星座なのだが、NGC253は地球から見える銀河としてはかなりの大物だ。口径45㎜でもこれだけ写るが、大口径望遠鏡で撮影するとかなりの迫力だ。NGC253は爆発的星形成銀河(スターバースト銀河)といって、その名のとおり猛烈な勢いで星がつくられている。しかし、同時に星の材料となる大量の高密度ガスが中心部から流れ出していて、いずれその激しい星形成活動が終わると考えられている。
2012年9月15日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ45EDⅡ+レデューサー0.85×DG、露出300秒
映画「猿の惑星」は1968〜1973年に5作つくられ、21世紀になってからも2作つくられている。1974年にはテレビドラマも制作された。第1作「猿の惑星」はチャールトン・ヘストン主演で、テイラーら3人の宇宙飛行士がある惑星に不時着、そこは人間が猿に支配される猿の惑星だった、というストーリーだ。結局、そこは未来の地球で、人類はとうとう核戦争の引き金を引いてしまい、ほとんど滅亡してしまったこと、生き残った人間も退化して言葉さえしゃべれないこと、一方で猿が進化して新たな文明を築き、人間を支配していることが最後に明らかになるのだが、それを海岸に埋もれた自由の女神というワンシーンだけで説明してしまうのはすごい。人間に好意的な猿のコーネリアスとジーラはロディ・マクドウォールとキム・ハンターが演じているが、マクドウォールは第4〜5作ではコーネリアスの息子シーザーも演じている。
秋の星座は明るい星が少なく、夏の天の川が沈んだ後は少し寂しい。しかし、実は星雲星団銀河の大物がけっこういて、双眼鏡や望遠鏡があればよく見える。筆頭格がこのブログで何度も登場したアンドロメダ銀河M31だ。われわれの銀河系は、周辺の銀河とともに、局部銀河群と呼ばれるグループを構成している。M31は局部銀河群の中でも最大の銀河で、ちょっと小さいわれわれの銀河系と、さらに小さいさんかく座の渦巻銀河M33、そして数十の矮小銀河がある。南半球に行くと、天の南極近くに大小マゼラン銀河を見ることができるが、これは銀河系の伴銀河と呼ばれている。同じように、M31にも伴銀河があって、この写真の中央左上にあるのがM32、中央右下にあるのがM110だ。M31は肉眼でも見えるくらい明るいので、写真写りは非常にいい。標準レンズでも米粒のように写るし、望遠レンズならまさに「島宇宙」という感じだ。
2012年9月12日撮影 キャノンEOS60Da+ミニボーグ45EDⅡ+レデューサー0.85×DG、露出300秒
オリジナルメンバーによる最後の劇場版「スター・トレック」である。惑星連邦と敵対するクリンゴン帝国は、惑星クリンゴンの衛星が爆発し、50年後には滅亡する運命となった。息子デビッドをクリンゴンに殺されたカークは、クリンゴン滅亡を心の中では歓迎するが、スポックにより和平交渉に臨むゴルコン宰相のエスコート役を務めさせられることになる。そのさなかに宰相が暗殺され、カークとマッコイは首謀者としてクリンゴンに連行されてしまう。結局、首謀者は惑星連邦やクリンゴンの中にいる和平を望まぬ者たちだったが、カークらは惑星連邦大統領の暗殺を間一髪で阻止、惑星連邦とクリンゴンとの和平の実現に大きく貢献することになる。本作は特撮の質が高く、クリンゴン宰相を演じたデビッド・ワーナーとチャン将軍を演じたクリストファー・プラマーの演技も重厚だ。この後シリーズはジャン・リュック・ピカード艦長(パトリック・スチュワート)が活躍する「新スター・トレック」に移行するが、そこではクリンゴン人のウォーフもエンタープライズ号のクルーとなっている。
アイソン彗星の撮影や双眼鏡による観測のところでさんざん「三脚が必要」と書いたので、三脚の話を一つ。ビックカメラやヨドバシカメラのカメラ用品コーナーに行くと、たくさんの三脚が置いてある。このうちポピュラーなのが、スリックとベルボンの2大国産メーカーだ。海外製品では、ジッツオやマンフロット、ベンロといったものがある。三脚もピンキリで、安いものだと数千円、高いものだと10万円くらいする。太陽光の下で撮影するなら、シャッタースピードが早いので、そんなに高いものじゃなくてもいいだろう。しかし、天体撮影用となると、やはりある程度しっかりした三脚が必要だ。ぼくもカメラ三脚は5本くらい持っているが、タカハシスペースボーイ赤道儀を搭載するにはみな力不足で、スペースボーイ用としてはケンコースカイメモ用大型微動マウントを使っている。ナノ・トラッカー用としては中国のベンロ製を使っているが、これはなかなかいい。日本のメーカーもうかうかしてはいられない。それから、雲台も5つくらい持っているが、最近では梅本製作所の自由雲台が気に入っている。
劇場版「スター・トレック」第3作と第4作はスポック役のレナード・ニモイが監督を務めたが、第5作となる本作はカーク役のウィリアム・シャトナーが初めて監督を務めている。マインドコントロールに長けた謎のバルカン人サイボックが現れ、エンタープライズ号が乗っ取られてしまうが、サイボックはスポックの異母兄だった。サイボックの目的は、エンタープライズ号でグレートバリアと呼ばれる領域に向かい、「神」のいる惑星「シャカリー」へと到達することだった。カークやスポックとともにシャカリーに到達したサイボックは、「神」との対面を果たすが、結局それは「神」ではなく、人類やバルカン人よりもちょっと進歩しただけの生命体に過ぎなかった。本作は予算上の制約により特撮の質が低く、評価はあまりよくない。オリジナルメンバーによる劇場版はこれが最後のはずだったが、スター・トレックの熱烈なファン、トレッキーの運動の甲斐あってもう1作つくられることになった。
ぼくはツーリングでしか無線をやらないが、ときどき家でトランシーバーをオンにすると、「CQ CQ CQ」と呼び出しているのが聞こえる。CQの後に続くのがコールサインだが、音声だと紛らわしい文字もあるので、正確に伝えるための方法がある。フォネティックコードというのがそれだが、例えばAは「アルファ」、Bは「ブラボー」、Cは「チャーリー」などという。ぼくのコールサインJA1AHTは、「ジュリエット・アルファ・ワン・アルファ・ホテル・タンゴ」だ。覚えておくと便利だが、まあ普通は使わないか。以下、Zまで書いておこう。
A 「アルファ」
B 「ブラボー」
C 「チャーリー」
D 「デルタ」
E 「エコー」
F 「フォックストロット」
G 「ゴルフ」
H 「ホテル」
I 「インディア」
J 「ジュリエット」
K 「キロ」
L 「リマ」
M 「マイク」
N 「ノベンバー」
O 「オスカー」
P 「パパ」
Q 「ケベック」
R 「ロメオ」
S 「シエラ」
T 「タンゴ」
U 「ユニフォーム」
V 「ビクター」
W 「ウィスキー」
X 「エックスレイ」
Y 「ヤンキー」
Z 「ズル」
「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」で、Aチームがメキシコのテロリストどもをアメリカ領空に誘い込んで撃墜するとき、「アルファ・マイク・フォックストロット」と叫ぶが、これもフォネティックコードだ。意味は下品なので書かないが。
ちなみに、これは和文にもあって、「朝日のア」「いろはのイ」「上野のウ」「英語のエ」「大阪のオ」・・・となっている。
スポックの肉体を救出したカークらはバルカン星に向かい、マッコイに託されたスポックの魂(カトラ)とスポックの肉体との再結合の儀式を見守る。エンタープライズ号は自爆したため、クリンゴンから奪った船バード・オブ・プレイで地球に帰還しようとするが、そこに謎の探査船が現れ、地球の全機能が停止してしまう。謎の探査船ははるか昔からザトウクジラと交信していたが、23世紀にはザトウクジラはすでに絶滅していたのだ。というわけで、カークらはタイムトラベルを敢行、20世紀のサンフランシスコでザトウクジラを探し、23世紀に連れて帰るという賭けに出る。23世紀の人間だから20世紀のことは歴史の勉強で知っているだろうが、それにしてもいざ目の当たりにするとカルチャーショックを受けるのはまちがいない。特におもしろかったのは、スコットが20世紀のコンピューターを使うところだ。1987年型Macintosh Plusに向かったスコットは、マウスを持って「ハロー、コンピューター」と話しかけるが、当然反応はない。しかし、アップル社は23世紀を待たず、すでにこのような機能をSiriとして実現してしまった。
バイク仲間とツーリングするとき、無線機があるといい。はぐれそうになっても連絡が取り合えるし、ちょっとした会話もできる。無線には免許不要の特定省電力無線というのもあるが、これは近距離用なので、やはりアマチュア無線がいい。アマチュア無線をやるには、無線従事者免許証と無線局免許状の2つの免許を取得しなければならない。無線従事者免許証は、第4級アマチュア無線技士の資格で十分だが、これは一応試験がある。まあ小学生でも合格することがあるくらいだから、過去問を勉強すればだいじょうぶだろう。無線局免許状は申請すれば取得できる。無線局免許状に書かれている識別番号がいわゆるコールサインだ。ぼくのコールサインはJA1AHTだ。
カーンとの戦いで死んだスポックの肉体は、棺の中に入れられて宇宙葬に付されたが、ジェネシス計画によって改造された惑星ジェネシスに軟着陸し、魂のない状態で再生していた。スポックの父サレクによって、スポックの魂がマッコイに託されていることを知らされたカークは、エンタープライズ号を乗っ取り、禁じられた惑星ジェネシスに向かう。惑星ジェネシスでは、ジェネシス装置を奪おうとするクリンゴンとの戦いに巻き込まれ、カークの息子デビッドが殺されてしまう。このことから、カークはクリンゴンを強く憎むようになるが、後に惑星連邦とクリンゴンの和平を実現するのもカークだったりする。クリンゴンの艦長を演じたのは、バック・トゥ・ザ・フューチャーでドクを演じたクリストファー・ロイドだ。特殊メイクをしてクリンゴン人を演じているが、特徴的な演技はそのままだ。
劇場版スター・トレック第2作「カーンの逆襲」は、オリジナルシリーズの「宇宙の帝王」でセティ・アルファ第5惑星に追放された優性人類カーンが登場、カークらエンタープライズ号クルーをピンチに追い込む。カーンを演じるのはリカルド・モンタルバンだ。本作では、カークのかつての恋人キャロル・マーカス博士らが、ごく短時間で人類が住めない惑星を人類の住める惑星に改造する「ジェネシス計画」を完成させてしまう(実際は失敗だったが)。さらに、カークとキャロルの間に息子デビッドがいることも判明する。カーンによって絶体絶命の危機に陥ったエンタープライズ号は、スポックの命をかけた行動によって立ち直り、カーンを返り討ちにした。今年公開された「スター・トレック イントゥ ダークネス」は、「カーンの逆襲」のリメークとも言える内容になっている。
ジーン・ロッデンベリーによるテレビドラマ「スター・トレック(宇宙大作戦)」は、1960年代後半に初めて放送され、再放送を重ねるたびに人気が上昇、その後も新たなシリーズがたくさんつくられた。日本でもしょっちゅう再放送していて、ぼくもときどき見ていた。時は23世紀、ジェームズ・T・カーク(ウィリアム・シャトナー)船長率いる宇宙船U.S.S.エンタープライズ号は、人類最初の試みとして5年間の調査飛行に飛び立つ。1979年の映画「スター・トレック」は、調査飛行を終えて大改修を受けたエンタープライズ号とオリジナルシリーズのレギュラーメンバーが登場する劇場版第1作だ。エンタープライズ号の主要クルーは、バルカン人と地球人のハーフである副長のスポック(レナード・ニモイ)、ドクターのレナード・マッコイ(デフォレスト・ケリー)、機関主任のモンゴメリー・スコット(ジェームズ・ドゥーハン)、通信士官のウフーラ(ニシェル・ニコルズ)、ナビゲーターのヒカル・スールー(ジョージ・タケイ)とパヴェル・チェコフ(ウォルター・ケーニッグ)だ。本作では、巨大な雲状の物体が地球に接近、ヴィジャーという謎の生命体?が登場するが、その正体はなんと20世紀に人類が打ち上げた惑星探査機ボイジャーだった。ちなみに、1977年に打ち上げられたボイジャー1号について、NASAは昨年、人工物として初めて太陽圏外に出たと発表している。
「インディ・ジョーンズ」シリーズ第4作「クリスタル・スカルの王国」は、「最後の聖戦」から19年の時を経て制作された。映画の中では、第2次世界大戦中という設定だ。本作のストーリーの下敷きとなっているのはロズウェル事件だ。アメリカ軍はこの事件でクリスタル・スカルという謎の頭蓋骨を入手し、エリア51に保管していたが、インディはこれを奪取しようとするソ連軍との戦いに巻き込まれる。インディの父ヘンリーはすでに死去したようだが、代わりに息子のマットが登場する。マットは「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」のヒロイン、マリオンが産んだ子だった。マットのファッションは、「乱暴者」のマーロン・ブランドとそっくりなのだが、なぜかレザージャケットがワンスターではない。あまり気にしなかったのか、わざとそうしなかったのか、レザージャケット研究者としてはちょっとだけ気になった。それにしても、インディもやはりトシをとってしまったなぁ。
「インディ・ジョーンズ」シリーズ第3作「最後の聖戦」では、「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」に引き続きインディがナチスとの戦いに巻き込まれる。本作では、キリストの最後の晩餐に使われたとされる聖杯が物語の鍵となり、中世ヨーロッパで流布された聖杯伝説も取り入れられている。インディの父ヘンリー・ジョーンズ教授としてショーン・コネリーが出演しているが、ルーカスとスピルバーグは「インディ・ジョーンズ」シリーズを007映画のようにしたかったそうで、007映画に出演した俳優が他にもけっこういる。インディの友人でエジプトの発掘王サラーは、「リビング・デイライツ」でKGBの将軍を演じたジョン・リス=デイヴィスだし、本作の悪役ドノバンは「ユア・アイズ・オンリー」でも悪役だったジュリアン・グローバー、ナチスと手を結んだエルザは「美しき獲物たち」でも悪役の手下だったアリソン・ドゥーディだ。
オーストラリアのラブジョイ氏が発見し、2011年のクリスマスに大彗星となったラブジョイ彗星は、太陽をかすめるサングレーザーだった。残念ながら北半球では見られなかったが、南半球では長い尾を見せた。サイズが小さかったので、太陽に近づきすぎて消滅すると予想されたが、生き残った。このときの様子は太陽観測衛星で撮影され、NASAのHPなどでも見ることができる。11月29日に太陽に最接近したアイソン彗星は、ラブジョイ彗星と同じサングレーザーだ。サイズはずっと大きいと推定されていたが、太陽接近で核が崩壊、かなり小さくなったようだ。
NASA 国際宇宙ステーショ(ISS)から見たラブジョイ彗星
「インディ・ジョーンズ」シリーズ第2作「魔宮の伝説」では、サンカラストーンという不思議な力を持つ3つの石をめぐり、インディが邪教集団「サギー教」との戦いを繰り広げる。サギー教の司祭モラ・ラムは、生きたまま人間の心臓を抜き取るという不気味な力を持つ。上海のクラブ「オビ=ワン」のシンガーでインディの冒険に巻き込まれたウィリー・スコットを演じたケイト・キャプショーは、この映画がきっかけとなってスピルバーグ夫人となった。「インディ・ジョーンズ」シリーズは、毎回気持ち悪〜い生き物がうじゃうじゃ登場するのがお約束となっている。「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」ではタランチュラと毒ヘビ、「魔宮の伝説」では昆虫、「最後の聖戦」ではネズミ、「クリスタル・スカルの王国」では軍隊アリだ。軍隊アリはたぶんCGだろうが、それ以外は本物なので、俳優も大変だったろう。パンコット宮殿での晩餐会で出されたゲテモノメニューは、ちゃんとした食材でつくったものだったそうだ。
オーストラリアのマックノート氏により発見されたマックノート彗星は、2007年初頭に白昼でも見える大彗星となったが、残念ながら見逃してしまった。北半球では条件が悪かったのだ。その代わり、南半球ではすばらしい姿を見せている。近日点通過(太陽最接近)前後に大量のちりを放出したため、ものすごい尾になったのだ。南半球で観測した人によれば、マックノート彗星の頭部が昇ってくるだいぶ前に雲のようなものが出てきて、曇ってきたなぁと心配していたら、それが尾だったという。
AstroArts 藤井旭のマックノート大彗星メモリアル
ジョージ・ルーカスとスティーヴン・スピルバーグが組んだ「インディ・ジョーンズ」シリーズの第1作。考古学者のインディアナ・ジョーンズ博士(ハリソン・フォード)が、神秘的な力を持つ数々の秘宝を求めて世界中を冒険する。「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」で登場するアーク《聖櫃》とは、モーセの十戒が書かれた石板を納めたものだそうだ。インディのファッションとして有名なのは、ブラウンのソフトハットとレザージャケットだ。ジャケットはAー2フライトジャケットに似ているが、ちょっと違う。これもかっこいいのだが、大学で授業をするときに着るツイードスーツがまたかっこいい。「ダーティハリー」のハリー・キャラハンのツイードジャケットも決まってるが、ジョーンズ博士のツイードスーツは大学教授らしく知的なイメージだ。アメトラ派には大いに参考になる映画だ。
1997年春に最も明るくなったヘール・ボップ彗星は、超大型の彗星だった。2人のアメリカ人、へール氏とボップ氏によって発見されたのが1995年7月、そのときへール・ボップ彗星はまだ木星軌道の外側だった。翌年夏頃からは肉眼等級に達し、大彗星になるのはまちがいなしという感じで、天文界は大いに活気づいた。残念ながら太陽にも地球にもあまり接近しなかったが、もしさらに接近していたらとんでもない大彗星になっていただろう。この写真は確か1997年3月9日、北海道で撮影したものだが、白いダスト・テイルと青いイオン・テイルがはっきりと分かれていて、肉眼でもよく見えた。前年の百武彗星もすごかったが、へール・ボップ彗星は百武彗星以上のインパクトだった。
1997年3月9日?撮影 アサヒペンタックスSP+スーパータクマー50㎜
クリストファー・ノーラン監督による新「バットマン」シリーズ第3作である。前作「ダークナイト」で自らハーヴェイ・デント=トゥーフェイスの罪を被り、屋敷に引きこもっていたブルース・ウェイン=バットマンの前に、セリーナ・カイル=キャットウーマンが現れる。セリーナを追うブルースは、ラーズ・アル・グール率いる「影の同盟」出身のベインと戦うことになる。しかし、映画前半のベインは圧倒的に強い。バットマンは必死に戦うがほとんど歯が立たず、背骨を折られ、どこかの国の地下の牢獄に幽閉される。しかも、ベインは単なる肉体派ではなく、頭脳派でもあった。セリーナが盗み出したブルースの指紋を悪用し、億万長者ブルースを破産させたのだ。ブルースは地下牢獄で体を鍛え直し、自らの力で脱出に成功、ベインとの戦いに臨む。ベインを演じるのはトム・ハーディーだが、顔はマスクで隠されており、ずいぶんマッチョな体だけどホントに本人か?という感じだ。実際ずいぶん鍛えたそうだ。セリーナ役はアン・ハサウェイ、ラーズ・アル・グールの子であり、ゴッサム・シティを滅亡させようとする首謀者、バットマンの真の敵という本当の姿を最後に現すミランダ・テイトは、マリオン・コティヤールが演じている。また、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット演じるゴッサム市警のジョン・ブレイクは、バットマンのパートナー、ロビンであることが最後に判明する。
クリストファー・ノーラン監督による新「バットマン」シリーズ第2作である。バットマンの宿敵ジョーカーが登場、ゴッサム・シティを恐怖のどん底に陥れる。また、悪徳精神科医のスケアクロウも登場、幻覚剤を使ってバットマンやレイチェルを絶体絶命の危機に陥れる。さらには、ブルースの幼なじみレイチェル・ドーズの恋人である地方検事のハーヴェイ・デントが、レイチェルを殺され、自らも顔半分に大ヤケドを負って精神に異常を来し、トゥーフェイスに変身していまう。とにかくゴッサム・シティには悪人が多い。正義の味方デント検事までもが悪に染まったとあっては、ゴッサム市民は希望を失ってしまう、そう考えたバットマンは、トゥーフェイスの罪を被り、自ら「ダークナイト(暗黒の騎士)」の汚名を選ぶのだった。ジョーカーを演じるヒース・レジャーは、ジャック・ニコルソンに劣らぬエキセントリックな演技を見せるが、本作公開前に急死してしまった。睡眠薬など何種類かの薬を一度に摂取したことによる急性薬物中毒だったそうだ。また、スケアクロウは、キリアン・マーフィーが演じているが、これもかなりエキセントリックな演技だ。音楽も重厚で、作品のムードによく合っている。第3作「ダークナイト・ライジング」とともに、映画「バットマン」シリーズ屈指の傑作だ。