007「カジノ・ロワイヤル」
007シリーズ第21作「カジノ・ロワイヤル」からはいよいよ第6代目ジェームズ・ボンド=ダニエル・クレイグが登場する。「カジノ・ロワイヤル」はもともとイアン・フレミングの小説007シリーズの第1作であり、1967年にも映画されたことがあった。冒頭ではMI6の裏切り者を始末し、00(ダブルオー)要員として「殺しの許可証」を得るまでの経緯が手短に描かれている。体を張ったシーンが多く、洗練されたブロスナン=ボンドに対し、無骨なクレイグ=ボンドという印象だ。Mは引き続きジュディ・デンチが演じ、若くてまだちょっと未熟なボンドを厳しく指導する。マネーペニーやQはまだ登場しない。謎の犯罪組織のメンバーとの戦いが始まるが、どのくらいの力を持っている組織なのかはまだわからない。ボンドが本気になる(そして裏切られる)イギリス財務省のヴェスパー・リンドは、フランスの女優エヴァ・グリーンが演じている。ボンドを裏切った代償として自ら死を選ぶシーンは悲しい。ヴェスパーの死を乗り越え、ブリオーニのスーツに身を包んだボンドは、一回りも二回りも成長したように見える。それにしても、ボンドの協力者なのに、裏切り者と思われてMI6の拷問を受けるルネ・マティスは気の毒に。スパイの世界は非情だ。
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