007「私を愛したスパイ」
007シリーズ第10作「私を愛したスパイ」は、ムーア=ボンドのキャラクターが確立した作品にして最もムーア=ボンドらしい作品だろう。この時代は東西冷戦からデタント(緊張緩和)の時代に入っていたので、ともに潜水艦を謎の組織に奪われたイギリスとソ連が、協力して真相解明に乗り出すという話だ。KGBの女スパイ、トリプルX(アニヤ・アマソワ)を演じたのは歴代ボンド・ガールの中でも屈指の美しさを誇るバーバラ・バックで、彼女は後にリンゴ・スターと結婚した。ボンドとアニヤはいい雰囲気になるのだが、アニヤの恋人(これもKGBのスパイ)を殺したのがボンドだったことがわかり、任務終了後はボンドを殺すと宣言して非常に気まずい雰囲気になる。英ソの潜水艦を強奪したのはストロンバーグという男で、彼は核ミサイルで米ソを攻撃し、世界を征服しようとしていた。潜水艇に変身するロータス・エスプリなど秘密兵器もテンコ盛りだ。アルプスの断崖からスキーでダイビング、そしてユニオンジャックのパラシュートという冒頭のシーンは実にかっこいい。タイトル曲「Nobody Does It Better」も秀逸だ。
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