007「ワールド・イズ・ノット・イナフ」
007シリーズ第19作「ワールド・イズ・ノット・イナフ」は、ボンド・ガールとしてソフィー・マルソーという大物女優が出演し、しかもマルソー演じるエレクトラ・キングがボンドに容赦なく殺されるという点で、ちょっとシリアスな内容だ。タイトルの「THE WORLD IS NOT ENOUGH」はボンド家の家訓で、「世界だけでは不十分」といった意味だ。何とも欲張りな家系である。石油王キング卿の一人娘エレクトラは、かつてテロリストのレナードに誘拐され、なんとか脱出して生還したのだが、実際にはストックホルム・シンドローム(犯罪被害者が犯人に好意を抱くこと)に陥り、レナードと恋人になっていたのだ。そうとは知らないボンドは、エレクトラを本気で好きになりかける。ついに本性を現したエレクトラは、Mをおびき寄せて監禁し、ボンドを中世の拷問道具で責めたてる。このあたりのマルソーはこわー、という感じだ。昔、「フランスの薬師丸ひろ子」なんて言われたはずなんだけどなぁ。拷問道具から脱出し、エレクトラに銃を向けたボンドは、エレクトラの挑発をよそに、あっけなく射殺してしまう。得意のジョークもなく、実にクールだ。第2作「ロシアより愛をこめて」以来Qを演じたデスモンド・リュウェリンは本作で引退、本作公開直後に交通事故で死去した。
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