007「リビング・デイライツ」
007シリーズ第15作「リビング・デイライツ」からは、ティモシー・ダルトンがボンドを演じる。ダルトンは過去にも2度ボンド役をオファーされたが断ったことがあり、これが3度目のオファーだったという。次作「消されたライセンス」の後しばらくボンド映画が制作されなかったため、ダルトンが出演したのは2作のみにとどまったが、故ダイアナ妃が「最もリアルなジェームズ・ボンド」と述べるなど、ダルトン=ボンドは評価が高い。本作では、旧ソ連のコスコフ将軍から亡命の申し出があり、チェコスロバキアに潜入したボンドが亡命を手引きするなど、東西冷戦時代の雰囲気が色濃く漂う。ソ連のアフガニスタン基地が描かれ、これに抵抗するゲリラ組織ムジャーヒディーンも登場する。ウサマ・ビン・ラーディンもムジャーヒディーン出身だったそうだ。本作公開4年後にはソ連は消滅するので、こういう雰囲気のボンド映画はこれが最後だ。ボンド・ガールのマリアム・ダボは、気の強そうなこれまでのボンド・ガールたちとはちょっと違ったかわいこちゃん系だ。ダボが演じるチェリスト、カーラ・ミロヴィが演奏する曲は、モーツァルトの交響曲第40番とチャイコフスキーのロココ風の主題による変奏曲だ。
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