夏の天の川
灯台もと暗しという言葉があるが、銀河系の全体像はよくわかっていない。外部から見るより、内部から見る方がわかりにくいのだ。星や銀河の距離を見積もることは難しく、この写真に写っている数知れない星が地球からどれだけ離れているかを調べることは大変な作業だ。デジタルカメラというのはそういう作業にはうってつけで、アメリカの大学などがスローン・デジタル・スカイ・サーベイというプロジェクトで何千万個もの恒星の距離を調べ、銀河系の3次元地図を作成した。すると、銀河系のすぐ近くに、銀河系に飲み込まれつつある巨大な星の集団があることがわかったのだ。巨大な星の集団といっても、銀河としては小さいので、矮小銀河という名前で呼ばれている。現在、最も銀河系に近い矮小銀河はおおいぬ座矮小銀河だと考えられているが、いて座矮小銀河というのもある。非常に暗いので、この写真には写っていない。どうやら、銀河系やアンドロメダ銀河といった大型の銀河は、矮小銀河を飲み込んで大きくなってきたようだ。
2012年7月14日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF24mm、露出180秒
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