シリウスと散開星団
全天一明るい恒星シリウスは連星だ。明るい方が主星シリウスA、暗い方が伴星シリウスBと呼ばれている。シリウスAは青白い恒星だが、シリウスBは白色矮星(はくしょくわいせい)といって、とても変わった天体だ。恒星は星間物質が収縮し、水素が核融合反応を起こすことで輝き始める。そしてしばらくの間安定的に核融合が続くが、いずれは水素がなくなり、水素の核融合でつくられたヘリウムが核融合を始める。そうして中心核では炭素や窒素、酸素、鉄などの元素がタマネギの皮のように重なっていくが、いずれはヘリウムもなくなるので、核融合はストップすることになる。この後の展開は質量によって異なるが、太陽程度の質量の場合、外層部のガスは飛び散って惑星状星雲となり、中心核が高密度の星となって残る。これが白色矮星だ。白色矮星では、スプーン1杯分が地球では数トンになるほど重い。しかし、驚くのは早い。太陽よりずっと重い恒星がなる中性子星はもっと重く、スプーン1杯で1億トンになる。このシリウスのすぐそばには、M41という散開星団がある。100mm程度の望遠レンズなら1枚の写真に収まるので、狙い目だ。
2013年1月3日撮影 キャノンEOS60Da+キャノンEF100mm、露出180秒
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