百武彗星
1996年3月、百武彗星が地球に接近し、長大な尾を見せた。百武彗星はサイズは小さいのだが、地球にかなり近いところを通過したので、大彗星となった。長い期間明るかったへール・ボップ彗星に比べ、あれよあれよという間に明るくなり、あっという間に去って行ったという感じだ。まさに彗星のように現れたというにふさわしい。この写真はアサヒペンタックスSPで撮影した。普通は彗星が明るくなるのは太陽に接近する頃で、したがって朝方か夕方にしか見られないが、百武彗星は一晩中見ることができた。これもまた、今のデジタルカメラで撮影していたらすごい写真になっただろう。ちなみに、新彗星は発見者の名前がつくことが多い。百武彗星は鹿児島の百武さんが発見した。残念ながら百武さんはもう亡くなったが。日本人の名前がついている大彗星としては、1965年の池谷・関彗星と1996年の百武彗星が双璧だろう。新彗星を探し求めて活動する人をコメット・ハンターというが、日本にはコメット・ハンターがたくさんいるのだ。
1996年3月24日?撮影 アサヒペンタックスSP+スーパータクマー50mm