今日の土星食は、自宅の窓から見られる方向だったので、部屋に置いたAZ-GTi+国立天文台望遠鏡キットで観察した。国立天文台望遠キットは口径50㎜のアクロマートレンズで、16倍と66倍のアイピースがついている。地球から見た土星の環の傾きはだいたい15年周期で変化するが、いまはほとんど真横から見ているので、小型望遠鏡だとすごく細くしか見えない。ともあれ予報時刻どおりに、土星は月に隠されてしまった。
ZWO ASI2600MC Proは、センサーサイズがAPS-Cサイズの冷却CMOSカメラだ。外気温より35℃下げることができるので、夏でも長時間露光時のノイズを抑え、きれいな画像を得ることができる。また、ASI294MCなどで発生するアンプグローを抑制する回路を搭載していて、「ゼロ・アンプグロー」をうたっている。実際ASI294MCのアンプグローはけっこう盛大に出るので、ダーク補正で消さなければならないのだが、ASI2600MC Proならその心配がない。今年は主力機をタカハシFC-100DZにアップグレードしたので、そろそろCMOSカメラもアップグレードしようかな。
気象庁によると、今年秋(9〜11月)の平均気温は、統計を開始した1898年以降で最も高くなったという。これまでに最も高かったのは昨年だが、そこからさらに0.58℃も上回った。地球温暖化の影響のほか、偏西風が北側に蛇行し、南からの暖かい空気に覆われやすかったことも原因だというが、いずれにしても、このような気候が定着すると、いろんな面で悪い影響が出てくるだろう。この分野での新記録更新は打ち止めになってほしいもんだ。
NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、おとめ座の銀河M104を撮影した。M104は、可視光ではメキシコの帽子ソンブレロにそっくりなことから、ソンブレロ銀河とも呼ばれ、天体写真ファンにも人気の銀河だ。長く渦巻銀河であると考えられていたが、楕円銀河の中に円盤があるという変わった構造であることが明らかになった。可視光で撮影したハッブル宇宙望遠鏡(HST)と比べると、楕円銀河は赤外線ではほとんど見えず、円盤は赤外線でも強く輝いていることがわかる。この赤外線を放出しているのは、ベンゼン環を2つ以上持つ多環芳香族炭化水素だということだが、楕円銀河部分と円盤部分はまったく成り立ちが違うのかもしれない。